衛生兵の主人公が負傷したアメリカ兵を担いで、急峻な崖の上からロープで一人一人おろしていく。
すぐ背後には、鬼のような形相で、大勢の日本兵がアメリカ兵の衛生兵を襲おうとしている。
しかし、間一髪のところで逃げ切り、急峻な崖をおり生還。
これはメルギブソン監督の戦争映画、「ハクソー・リッジ(2017年公開)」の1シーンですが、特に強烈に印象に残ったのが、急峻な崖とこの世のものとは思えない激しい戦闘シーンです。
舞台となったのは浦添市にある「前田高地」
現在でも起伏が激しく、実際に戦闘が行われた切り立った崖も残っています。
解説:映画ハクソーリッジ
「前田高地」の戦いを舞台にアメリカ軍衛生兵の戦いを描いた映画。
アメリカ軍兵士は実在した「 デズモンド・ドス 」。
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映画ハクソーリッジの舞台。激戦地「前田高地の戦い」
首里の周辺には、いくつもの高台や急峻な崖があり、天然の要塞でした。
前回紹介した「嘉数高地や」今回紹介する「前田高地」は、司令部がある首里を守る防衛ラインの一つ。
「前田高地」はモノレール浦添前田駅の裏にある高台で、琉球王朝時代に浦添城がありました。
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アメリカ軍はここをノコギリのような屋根という意味で「ハクソー・リッジ」と呼んでいました。激戦の末、前田高地前面に位置する「嘉数高地」を攻略したアメリカ軍は1945年4月25日「前田高地」に侵攻します。
アメリカ軍は頂上を占領するため激しい攻撃をしますが、日本軍の激しい抵抗にあい何度も撤退をします。
一方日本軍も、洞窟に陣地を置き白兵戦や夜間攻撃を展開しますが、物量に勝るアメリカ軍の攻撃により多大な被害がでます。
そしてついに頂上を占領したアメリカ軍は、日本軍の洞窟を閉じ込め、追い詰めます。
5月6日に「前田高地」はアメリカ軍が占領しました。
この後もアメリカ軍は日本軍の激しい抵抗を受けながら、司令部のある首里を目指します。
尚、映画「ハクソー・リッジ」を見ると「ありったけの地獄をまとめた」とアメリカ軍に言われた「前田高地の戦い」の様子が分かります。
現在「前田高地」周辺は「浦添大公園」として整備されている。
前田高地周辺は現在モノレールも開通し「浦添前田」という駅もあり、開発が急ピッチで行われている模様。
すぐ近くに「浦添大公園」が整備されており、そのあたりが前田高地の激戦地です。
「浦添大公園」はとても広く琉球王朝時代の「浦添城跡」にもなっております。「浦添城跡」の中には琉球王朝時代の史跡もあれば、沖縄戦当時の「トーチカ」や「慰霊碑」もたくさんあり、ここが沖縄戦の激戦地だったということが直ぐにわかります。
冒頭紹介した映画「ハクソーリッジ」の舞台になった急峻な崖も見ることでき、映画を紹介する案内板もあります。 映画を見ると、実在した主人公「デズモンド・ドス」が兵士を担いで下りた崖はここではないかとイメージができます。
今では激戦地も大きな公園になり、家族連れの方が多く訪れます。散歩をしている老若男女様々なかたが多く訪れます。願わくば未来永劫平和な公園であってほしいものです。
【前田高地(浦添大公園)】
- 住所
- 沖縄県浦添市仲間2-53
- 駐車場
- あり
- HP
- https://www.urasoedaipark-osi.jp/