住民を巻き込んだ凄惨な戦い沖縄戦。
沖縄戦の実相を知ることで、平和のありがたみを知り、戦争の愚かさを痛感します。
しかし、沖縄戦のことを学ぶにしても、時代背景や専門的な用語が難しく、中々自分で学ぶのは大変なことです。
沖縄各地には沖縄戦の実相をよりわかりやすく知るための沖縄戦の資料館が各地にあります。
そこで本記事では観光で訪れる方向けに、博物館・資料館一覧を市町村ごとにまとめました。
是非、これから沖縄戦の戦跡を回りたい人は参考にしてください。
各施設の情報は2025年2月の情報です。変更されてる場合があるので、必ず各施設の公式ページをご確認ください。
糸満市
沖縄県平和祈念資料館

沖縄県平和祈念資料館は平和祈念公園内にある、資料館です。
沖縄戦だけではなく、沖縄戦に至るまでの沖縄の歴史や戦争が起こった原因、そして戦後の沖縄の歴史を深く知ることができます。
沖縄戦に関しては、さまざまな人の証言や、ガマのジオラマ、そして大きな遺体のパネルなど、沖縄戦のリアルを伝えています。
正直、思わず目を背けたくなるような展示もありますが、これが実際にここ沖縄で起きたことを考えると本当に胸が痛みますし、避けては通れません。
沖縄戦の展示の最後の結びの言葉が、とても印象的です。一文からは沖縄の人たちの苦難も感じ取れます。
以下一文ですが、ぜひ訪問者に見て頂きたいです。
「戦争をおこすのはたしかに人間ですしかしそれ以上に戦争を許さない努力のできるのも私たち人間ではないでしょうか」
戦争とは…そしてそれを起こす人間とは…改めて平和の大切さを実感できる資料館です。
沖縄県平和祈念資料館
- 住所:沖縄県糸満市字摩文仁614番地の1(県営平和祈念公園内に所在)
- 休館日:12月29日~1月3日
- 料金:大人¥300 小人¥150
- 見学可能時間:午前9時から午後5時まで。ただし、常設展示室への入室は午後4時30分まで。
- およその所要時間:約60分 ~ 90分
- ホームページ:http://www.peace-museum.okinawa.jp/annai/annai/index.html
- 連絡先:098-997-3844
✔️同公園内に沖縄戦で亡くなった方々が刻名者された「平和の礎」もあります
ひめゆり平和祈念資料館

ひめゆり平和祈念資料館は、沖縄戦で動員された女子学徒隊「ひめゆり学徒隊」に関連する展示がされています。
具体的にはひめゆり学徒の遺品、写真、生存者の証言映像、南風原の陸軍病院壕の一部や伊原第三外科壕内部を再現したジオラマなどを見ることができます
展示内容を見ると、当時の女学生は今の学生とあまり変わらない楽しい学園生活を送っていたことがわかります。
そして沖縄戦が始まると、女子学徒隊として従軍し、悲惨な戦争に巻き込まれていく。多くの生徒・先生が亡くなっていく。
そのような凄惨な様子を時系列で展示しております。
特に考えさせら得るのが、第4展示室「鎮魂」。
沖縄戦で亡くなった227人の生徒と教師の写真と名前が飾られ、人柄についても触れることができます。本当に普通の学園生活がそこにありました。
なぜ普通の学生・先生達は戦場に行かなければならなかったのか、なぜ死ななければいけなかったのか、そして防ぐことはできなかったのか、壁にかけられた微笑む彼女達の写真を見ながら色々考えさせられる場所です。
ひめゆり平和祈念資料館
- 住所:沖縄県糸満市字伊原671-1(ひめゆりの塔も併設)
- 休館日:なし
- 料金:大人¥450 高校生¥250 小中学生¥150
- 見学可能時間:午前9時~午後5時25分 (最終受付は午後5時まで)
- およその所要時間:約60分
- ホームページ:https://www.himeyuri.or.jp/info/
- 連絡先:098-997-2100
✔️ひめゆり学徒隊について詳しく
豊見城市
旧海軍司令部壕資料館

旧海軍司令部壕資料館は沖縄戦で戦った兵士の軍服や、壕内から発掘された遺品や家族へ宛てた手紙など、旧日本海軍についての資料を展示しています。
規模は小さいですが、貴重な資料や遺品がありとても見応えがあります。
沖縄戦における海軍の資料だけを展示しているのは、ここだけです。
海軍がなぜどのように沖縄戦で地上戦を戦ったのか?ということがわかる資料館です。また沖縄戦を軍目線からも見れる資料館でもあります。
資料館外には、近年発見された兵士の遺品も展示。万年筆などの個人所有のものもあり、戦後80年経ってもまだ遺品が見つかることに驚きます。
そして資料館を見学後、実際に海軍の司令部壕を見学することで、よりリアルに沖縄戦を感じ取ることができるでしょう。
旧海軍司令部壕資料館
- 住所:沖縄県豊見城市字豊見城236番地
- 休館日:なし
- 料金:大人¥600 沖縄県民は¥300(証明書の提示が必要) 小人¥300 沖縄県民は¥150(証明書の提示が必要)
- 見学可能時間:午前9時~午後5時(最終受付: 午後4時半)
- およその所要時間:約60分
- ホームページ:https://kaigungou.ocvb.or.jp/navy-headquarters/exhibition/
- 連絡先:098-850-4055
✔️海軍司令部壕について
那覇市
対馬丸記念館

対馬丸記念館は、太平洋戦争中、沖縄の民間人や子どもたちが疎開のため九州に向かう海上で、アメリカ軍の攻撃で多くの死傷者を出した「対馬丸撃沈事件」に関する展示・紹介をしています。
なお外観は対馬丸を模したデザインとなっています。
館内では事件の全容を学び、犠牲者の氏名、生存者や遺族の証言、当時の学校教室や船内の復元、犠牲者の遺影・遺品を見ることが出来ます。
小さい子供がいる筆者にとって、子供たちの遺影を見ることに胸がいたみます。
小さな子供も戦時中は避難さえも命懸け。どこにいても安全な場所はなく、常に命を脅かされ続けるのです。
戦争がなければ決して起きることがなかったこの対馬丸沈没事故。亡くなった子供達に誓えるのは恒久の平和ではないでしょうか。
対馬丸記念館
- 住所:沖縄県那覇市若狭1-25-37
- 休館日:毎週木曜日・12月31日〜1月3日
- 料金:大人¥500 中学生・高校生¥300 小学生¥100
- 見学可能時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
- およその所要時間:約60分
- ホームページ:https://www.tsushimamaru.or.jp/
- 連絡先:098-941-3515
一中戦没学徒資料室

首里城からもほど近くにある一中健児の塔の敷地内にある一中戦没学徒資料室。
一中戦没学徒資料室は沖縄戦に動員された沖縄県立第一中学校(現在の首里高校)の生徒の遺品や遺影が展示されている資料館です。
遺影の中の生徒はとても幼い顔をしており、とても戦場へ行って戦う姿は想像できません。戦争がなければ青春を謳歌し、学生生活も充実していたと思うと胸が痛みます。
また遺書には軍国主義的な言葉と家族を思う言葉が交差し、複雑な心境を書き留めています。
最年少で14歳という今で言う中学生ほどの年齢でも容赦無く戦場に駆り出される。戦争は少年たちの青春をも奪っていくのです。
また一中戦没学徒資料室では、時間があえば資料館の方が案内説明してくれます。
一中戦没学徒資料室
- 住所:沖縄県那覇市首里金城町1丁目7
- 休館日:毎週土曜日・日曜日・祝日
- 料金:無料
- 見学可能時間:午前10時~午後5時
- およその所要時間:約30分
- ホームページ:https://youshu.com/ichugakutotai-tenjishitu/
- 連絡先:098-885-6450
南風原町
南風原文化センター
南風原文化センターは主に南風原・沖縄に関する歴史資料や沖縄戦に関する展示をしている資料館です。
特に南風原文化センターの裏手にかつて存在した、南風原陸軍病院壕の内部をリアルに再現したジオラマはとても迫力があり、当時の病院壕の生々しさが伝わってきます。
また南風原町の戦前の様子や、戦争が迫ってくる南風原町の様子もさまざまな資料から理解することができます。
今ではほとんど見ることがない、奉安殿や忠魂碑のレプリカも展示されています。
南風原文化センターを見学することで、実際の南風原陸軍病院壕内で当時の様子をよりリアルに想像しやすくなります。
南風原文化センター
- 住所:沖縄県島尻郡南風原町喜屋武257
- 休館日:毎週水曜日・12月29日~1月3日
- 料金:大人¥300 高校生¥200 中学生・小学生¥150
- 見学可能時間:午前9時~午後6時
- およその所要時間:約30分
- ホームページ:https://www.town.haebaru.lg.jp/docs/2013022800327/
- 連絡先:098-889-7399